今月のお勧め
角偉三郎 朱塗 大片口 六つ星
寸法:直径18.5×高さ9.5(cm)
角 偉三郎(かど いさぶろう)
1940年、石川県輪島に生まれた。中学校を卒業して後、15歳で沈金の名人、橋本哲四郎の下に弟子入りする。
1962年に修業を終わると、角は沈金技法(漆に細い線を彫り、そこに金を施す技法)を用いた漆パネルなどの絵画風の作品に取り組み、アメリカの現代美術に強い影響を受けながら、現代漆芸に没頭する。
その後はアーティストとして数々の賞を受けて日展無鑑査となるが、1970年代の初め、能登半島の柳田村の寺で、古い置き忘れの合鹿椀と出会った。
この力強くてシンプルな椀に魅せられて、次第にうつわとしてのぬりものに関心を持つようになる。
1982年、角は芸術家としての一切から退き、初めて椀だけの個展を開く。
2005年、65歳で逝去。